乗るか押すか 枝豆くらかけ考

だだちゃ豆栽培に必須、且つ大事なくらかけ作業。

土寄せ、中耕、除草を一気にやれる大事な作業。植え付けから収穫まで4回から6回、タイミング、寄せる土の量、肥料と一緒になどなど考えながらの作業。

同じだだちゃ豆を作っていても人それぞれ違いがあり、とても個性の出る仕事かもしれない。

そんな作業もちょっと前までは一輪管理機で人が歩いて押して作業するのがほとんどだったけど、最近乗って作業ができる乗用タイプが目立ってきた。

我が家は十数年前から両方使って作業してるけどメインは乗用タイプ。

でもなぜか俺には押す方があってる気がする。

だだちゃ豆の葉っぱ色や生育進度、土の状態や害虫被害などを見ながら。

たまには除草し逃した雑草を取りながら。

乗用タイプに載っていれば気づかないことも畑と目線を近くすることでわかることもある。

でも作業は乗用の方が捗るし、身体も疲れない。

うまくバランスを取りながら。

2019一輪管理機でのくらかけ

2019一輪管理機でのくらかけ

 

こんな可憐な花に 俺の気持ちはもてあそばれ

早くもだだちゃ豆の花が咲きはじめた。

白くて小さくて可憐だだちゃ豆の花。

なんてかわいらしい。

毎年のことながら田植えが終わり、大豆の種まきが終わり色んなイベントも終わり一息つこうとしたそのタイミングで咲き始める。

花が咲けば収穫までは1カ月ちょっと。

白くて小さい可憐な花に俺はワクワクもし慌ただしくもさせられる。

もてあそばれてるのか。

植え付けは終盤戦、管理作業は真っ只中。

常にだだちゃ豆のことを考える日々が始まったな~。

だだちゃ豆の花

2019 だだちゃ豆の花

 

春の忙しさを満喫 種まきコラボ

稲の種まきも終了。

終わればすぐに枝豆の種まきに移行。

気の早い家族は空いたスペースに枝豆の種まき道具を準備。

「気が早すぎる!」とツッコみたいところだが春の繁忙期は時間が惜しい。

時間のやりくりも仕事のうち。

でも二つの種まきの機械が同時に準備されてるってのもプレッシャーなんだよな~。

そんなことも言ってられない春の忙しさ。

田んぼや畑の外仕事も本格化。

トマトの収穫ももうすぐだ。

忙しい春と充実の春を満喫しよう!

枝豆の種まき

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稲の種まき

お米の種まき

 

皆にはゴミでも 私にはお宝 循環型農業実践中

急に寒さが戻り、なまった身体での肉体労働は危険と判断しトラクターへ乗車。

だだちゃ豆の残渣の切返しへ。

枝豆を収穫すれば莢(実)だけじゃなくてたくさんの葉っぱや茎のゴミが発生する。

処分するのも一苦労。

だけどこれも上手に利用すると美味しい枝豆づくりには欠かせなくなる。

この辺じゃやってる人少ないけど、何度も切返しをして二冬掛けて良質な堆肥になるん。

微生物の力を借りて、今でも切返すと発酵途中の湯気がモクモクとたちのぼる。

よく見ると小さなミミズがうじゃうじゃと。

よく見りゃ気持ちのいいもんではないがこいつらが畑に入ってくれればありがたい。

でも、ミミズのおかげで狙ってくる鳥たちも訪れ、そばにある格納用のハウスの屋根は格好の鳥たちのとまり場になり穴だらけ。

まあ、しょうがないとしよう。

来年の春には堆肥になって枝豆畑へと里帰り。

実を美味しく食べれて、葉っぱや茎は堆肥になって次のだだちゃ豆の肥料になる。

まさにこれぞいい循環。

残渣の切返し
残渣の切返し(写真は2017年)

ICTやAIと交わらない 豆づくり

世の中ICTやAIで話題がいっぱい。
色々なものが自動化、機械化されていく。
当然、農業分野でも。
下町ロケットでもやってるけど自動操縦の農機やドローンなどなど農業分野もかなり熱い。
当然、全てには当てはまらず、だだちゃ豆栽培は最たるものかもしれない。
自動選別は他の枝豆では良くても、だだちゃ豆では厳しいし、苗づくりやタイミングを見ての収穫作業も生産者にかなわないはず。
こういう世の中だからこそ、だだちゃ豆みたいなどうしても人の手が必要な作物づくりが見直される時代が来るかな~。

開発された枝豆自動選別機

枝豆自動選別機

枝豆自動選別機モニター

大地を喰らう 魔女の雑草

アフリカやアジアで猛威を振るう雑草を駆除する薬剤が日本で開発されたそうだ。

ホント日本の開発力はすごい。

ストライガという雑草はトウモロコシの根っこなどに寄生し栄養分や水分を吸収し穀物を枯らしてしまう寄生植物。

日本と同じ条件では考えれないけど被害が大きくなれば食糧難にもつながっていくのかもしれない。

今、だだちゃ豆栽培でも多発しているダイズシストセンチュウになんとなく似てる気が。

だだちゃ豆栽培ではここ数年、多発することへの対処で高額な薬剤防除をする畑が増えてきた。

我が家でも発生は確認されてるけど何とか薬剤に頼らず緑肥による土づくりで対処できないか模索中。

薬剤と違ってすぐには結果には結びつかないけど畑の大切な菌を殺さずに美味しい豆づくりにつながっていってくれると信じて頑張のみ。

今年も発生 枝豆の目玉おやじ

暑い夏が続く。

こんなに雨が降らない夏もめったにないことだ。

人も農作物も潤いの雨と涼しさを求めている。

干上がった田んぼ、乾燥し過ぎで枯れている枝豆畑も出てきたそうだ。

暑い夏が続くと枝豆に出てくるのは実の入りが悪いさや、ハダニ、

そして赤かび病。赤かび病、通称「目ん玉病」。

来年の種にまで影響してくる厄介なやつ。

特別栽培で農薬が半分しか使わないうちのだだちゃ豆には大打撃!

そしてなにより選別が大変になってくる。

選別チームの十二の瞳が何より頼り。

早く雨降ってくれないかな~。

2018だだちゃ豆の発生した赤かび病

2018赤かび病

農業は常に自然の脅威と隣り合わせ

農業は常に自然を相手にする仕事です。わかってはいてもあまりの自然の驚異に愕然とさせられることがあります。何の仕事でも自然と向かい合っていますが農業での自然の驚異をお伝えしたいと思います。またこのような出来事を忘れないためにも書き記しておきたいと思います。

平成23年6月の集中豪雨

大雨23年6月 だだちゃ豆畑が水浸しです。これでも少し引いた後です。一日だけでなく数日間雨がやまなかったのが被害に拍車をかけました。

大雨ごの排水路23年6月 1回目の大雨の後の大豆畑と隣を流れる排水路の様子です。排水しきれずオーバーフローして畑に水が入ってきました。

平成22年4月の季節外れの雪

この季節は例年なら乾燥注意穂が出てもいいはずなんですが雪が降りました。全国的に寒い春で5月下旬までこの寒さが続き作物の生育が心配されました。
春の雪 雪が降りトラクターと畑は真っ白になりました。

平成21年12月の大雪

近年は昔に戻ったかのように大雪がよく降ります。
ハウス倒壊 雪の重みでハウスが倒壊しました。

平成19年6月の豪雨による被害状況

梅雨時期に集中豪雨が降りました。ひどいところでは朝方に降った雨が夕方まで引かず、畑ではだだちゃ豆がほぼ全体水に浸かる状態になりました。そのうえ雨上がりに太陽が照りつけたまった水がお湯のようになり根っこが茹でられる状態になりました。結果根っこが腐れ下の葉から徐々に枯れていきました。その後も雨が続き被害は拡大しました。鶴岡市でのだだちゃ豆作付け面積約840haの6分の1が被害にあったそうです。家のだだちゃ豆も被害にあいました。
大雨被害 根がやられ下の葉から徐々に枯れていきました。

冠水 ようやく水が引いていった畑です。

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平成19年4月の降雹被害状況

季節外れの雹が降り定植間近かのだだちゃ豆の苗がめちゃくちゃに傷つけられました。また畑に植えた枝豆の苗もぼろぼろになり本葉が落ちこのまま植えておいても収穫できないものになってしまいます。
雹 右側が降った雹です。左が分かりずらいんですが百円玉です。

雹被害 雹に傷つけられただだちゃ豆の苗です。葉っぱが枝部分から落ち一番大事な本葉が落とされてしまいました。

雹被害 雹被害 畑に植えたレタス(左)とキャベツ(右)の苗です。見るも無残な姿になりました。キャベツのほうがまだましな状態ですが葉っぱがもうチリヂリというかばらばらになりました。ちなみに黒いマルチ(保温用ビニール)も穴が開いているのが見えますがそれも雹によるものです。

平成16年の台風15号、16号による農作物への被害状況です。

 自然の脅威を目の前にすると人間の力なんて無力なんだとつくづく実感させられます。被害はだだちゃ豆、水稲、大豆などの販売作物から栗、キウイ、柿などの自家消費の果樹、さらにビニールハウスの破れ、ガラスハウスの破損多岐にわたりました。特に水稲の被害は甚大で庄内地方で何十億の被害だそうです。稲穂の白穂枯れと枝梗枯れ、風邪による擦れ、さらにはうちの近所ではないですが海に近いところでは塩害も起きたそうです。これにより収量はうちのところでコシヒカリで例年の半分くらいと予想されています。ちなみにこの潮風害は文献が残っている限りでは100年以上ぶりのことだそうです。16年は春先の大雨、梅雨末期の集中豪雨、異常な気温の上昇といろいろありましたこんなこともあったんだと忘れないように書き記しておこうと思います。

枝豆畑です。葉っぱが落ちて残っている葉っぱも風邪で擦れてしまったために入れが緑色から茶色になってしまいました。当然実の入りが悪くなったり莢にも傷がつくなどの被害が出ました。

水稲の白穂枯れです。中央の白くなってるのがそうです。台風の強風と、高温での急な乾燥により起きました。これはだいぶ経った後の写真ですが台風の2,3日後は田んぼが真っ白のところ(下の画像)もありました。

白穂枯れの圃場です。田んぼの色が黄金色ではなく白っぽくなっています。。白くなって見えるところが白穂枯れしたところです。そして白穂枯れにより籾の中に実が入りませんでしたので穂が立っています。実るほど頭を垂れる何とやらというのも今年に限っては例外です。

大豆の畑です。枝豆同様葉っぱが落ち擦れて茶色くなりました。草丈も伸びなくなりました。

エコファーマーとは?

 エコファーマーとは、平成11年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」第4条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者(認定農業者)の愛称です。
 持続性の高い農業生産とはこの場合生産するための圃場(田畑)の土作りを重視することです。堆肥散布などによる土作りが重視されています。
 「エコファーマー」の「エコ」は、エコロジー(生態学)に由来しますが、「エコマーク」「エコビジネス」など環境にやさしいもの、配慮したものの象徴として広く親しまれている用語です。また仏教用語の「依怙(えこ)(神仏に依り頼むこと)」)になぞらえ、自然や環境との調和を拠り所とするとする「エコ」もこれに通じる、あるいはエコファーマーに環境を「えこひいき」してもらうなどの意味があるそうです。
 認定されたからといって終わりではなく認定されたあとからの生産がとても重要です。
松浦園芸では以下のような取り組みを行っています。

■有機質肥料や堆肥を中心に丈夫な作物を育てる土づくり
肥料は堆肥と有機質肥料がほとんどです。特に枝豆をはじめとするマメ科の植物は連作(同じで畑で同じものを作くること)することで障害を引き起こします。障害回避のためにも堆肥などの有機物の施用は必ず必要で。また有機物の施用により土の構造変化を導いたり、枝豆が必要とする土中に存在する地力窒素を補います。有機質の施用は微生物の発生も促し、特に根粒菌の着生を伸ばします。また連作を回避することや土壌の構造改善のために緑肥としてえん麦(麦の仲間)を収穫後に蒔き、数か月生育させたものを直接畑にすき込みます。緑肥のすき込みは他にも透水性の改善、病原菌、雑草の抑制、土中に残った窒素による地下水汚染も防ぐ効果があります。
■循環と低環境負荷を考えた自然にやさしい農産物づくり
 農業には莢を収穫した後の枝や茎などたくさんの残渣と呼ばれるものが発生します。これは畑や田んぼにとってとても大切な肥料、たんぱく源、土壌改良剤になります。だだちゃ豆の残渣はきれい残らず畑に戻します。ただ戻すのではなく時間をかけて腐らせてから戻します。そうすることで窒素分の少ない土壌改良剤になります。また田んぼに出荷できなかった大豆をそのまま散布し肥料として使っています。そうすることで化学肥料を抑えることにもつながっています。

 収穫後すぐの枝豆の残渣  収穫1年後の残渣です 収穫後約1年半後の残渣です   収穫後すぐの残渣です  収穫後1年後の残渣です  収穫後約1年半後の残渣です

また畑には積極的に緑肥の導入を図っています。えん麦という麦を収穫後播種し、2~3カ月間生育させ雪が降る前にそのまま畑にすき込みます。緑肥には畑へ以下の効果があります。
■緑肥の根が張ることで土を軟らかくし水はけがよくなります
■土壌に存在する病原菌や有害虫を抑制し、また有用微生物の増加効果があります
■雑草の生育を抑制します
■土壌中に残った作物に使われなかった養分(硝酸態窒素など)を吸収することで地下水に流亡させず汚染を防ぎます。
収穫後に麦を蒔きました 収穫後麦を播種し約1ヵ月半経った畑の様子です

松浦園芸では園主父「敏」の名前で認定を受けています。
エコファーマー認定マーク山形県認定エコファーマー
              
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特別栽培農産物について

特別栽培農産物

その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

特別栽培農産物は平成16年4月1日に施行された国の法律による農産物の栽培基準です。今までのものより統一感がありシンプルになりました。その中には有機農産物、減農薬、減化学肥料農産物等があります。有機は当然、無農薬・無化学肥料栽培で作られた農産物ですが減農薬や減化学肥料は今まで曖昧な面がありましたがこの改正により○○比○○減という正確な内容が求められるようになりました。消費者が求める職へのへの安全・安心が形となり現れたと言うことです。

消費者の方へ農家は様々な農産物を提供しその中から自分に合った物を選んで頂いています。それは値段であったり、有機であったり、味であったりします。味については全ての方が気にすることであると思います。美味しくないものを買おうという方はなかなかいないのではと思います。しかし農産物に関する言葉の氾濫により消費者へ情報が曖昧且つ一方通行になっていました。減農薬や有機、また朝採りや完熟などがそれにあたっていたのでしょう。消費者の方々が一番求めているのはその作物に関するしっかりとした情報でありそれを作っている人のひととなりなのではないでしょうか。当方ではそのような考えより特別栽培の認証を受けることもそうですが消費者の方への正確な情報をお伝えしよう思います。インターネットでの販売ですが朝市のような顔が見える販売を心がけています。

当方のだだちゃ豆は国に指定されている認証機関である公益財団法人山形県農業支援センターにより審査され特別栽培農産物に認定されています。内容に関しては山形県の農業情報サイトであるやまがたアグリネット(あぐりん) または農林水産省特別栽培農産物に係るガイドライン こちら よりご覧いただけます。またその認定農産物に添付できるシールがあり認定を受けることでそのシール使用する事ができるます。当方のだだちゃ豆は減農薬・減化学肥料栽培です。(財)山形県農業振興機構は最低基準を減農薬・減化学肥料の両方を満たしたものに定めていますので最低基準にしか達しません。将来的には有機を目指すような栽培が求められるのかもしれませんが現状は今のだだちゃ豆の価格を維持しながらの栽培の転換は容易ではないと考えています。

エコファーマーという環境にやさしい農業者にも当方では認定されています。美味しいものは丈夫な土作りから始まると考えていますので土作りにはとても気を使っています。完熟堆肥の施用は必須です。丈夫な土からは丈夫な作物が生産されそれにより農薬の使用も少なくなるのではと思います。

あくまで特別栽培農産物の認定は当方のだだちゃ豆についている味以外の情報でしかないと考えます。それにより顔の見える農業ができていけたらと思っております。またトレーサビリティー(栽培履歴管理簿)もありますので興味がある方はご覧になってください。

 



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