フードマイレージとは
フードマイレージ (food mileage) は、「食料の (=food) 輸送距離 (=mileage) 」という意味。重量×距離であらわす。食品の生産地と消費地が近ければフードマイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくると大きくなる。90年代にイギリスで考えられだした。フードマイルとも。日本でも2000年以降に導入されるようになった。
フードマイレージの基本的な考え方
基本的には「食料品は地産地消(生産地と消費地が近いこと)が望ましい」という考え方に基づいている。生産地と消費地が遠くなると輸送にかかわるエネルギーがより多く必要になり、地球環境に大きな負荷をかけることになります。またフードマイレージの数値が大きいほど、その消費地は食料に関して贅を尽くしていることになります。農林水産省の試算によると、日本のフードマイレージは総量では世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりでも一位となっています。これについて農水省幹部は「現代の日本人が歴史上のどの時代における、どの国の王侯貴族よりも贅沢な食事をしていることになっている」と解説しているそうです。
ちなみに日本のフードマイレージは韓国、アメリカの約3倍、イギリス、ドイツの約5倍、フランスの9倍となっています。
食料自給率の低さとともに、フードマイレージの大きさも日本の食料問題の中心であり、改善のためには、食糧自給率を高め、食料の生産地と消費地の距離を縮める努力が必要です。
フードマイレージに反対の考え方
一方で、フードマイレージは食糧問題の一側面のみを示しており、食糧を生産する効率や総合的なエネルギーの消費は無視されていることも考えなければならないという論もあるそうです。つまり、収穫期でなかったり国内に栽培適地が少ない場合はフードマイレージを短縮するとしたら消費地の近くで生産することになり、それよりも適地適作で自然に沿って生産したほうが、輸送に消費されるエネルギーを加算しても、環境に与える影響が小さくなるのは明らかであるという意見があります。
だがこの意見は結局、フードマイレージを抑制するにはなるべく季節の旬の地物を摂る、つまり地産地消を励行するのがよいという結論を逆説的に導いているとも言えます。
また地理的要因も大きいとの観点から、極論からすれば大消費地である大都市内部もしくは近郊で土地集約型産業である農業をしなくてはならないという意見もあります。
しかし、東京の都心で農業をすることは現実的に不可能で生産性をまったく無視した考えであり、都市近郊に限ってみても都市部の胃袋を満たすことはできないと思われます。
フードマイレージを実証する試験結果
アメリカのアイオワ州の大学で実験をしたそうです。フードマイレージとまではいかないものの移動距離による環境負荷(特に二酸化炭素の排出)と消費者心理を考えたそうです。ちなみに日本の食料が食卓まで上がる距離は平均で1万km。アメリカは2,500kmだそうです。
実験ではスーパーで①同じ値段の地元産のトマトとカナダ産のトマト②地元産リンゴと他州のリンゴ(2割高)を並べて売ったそうです。双方にエコラベルというスーパーまでの距離と二酸化炭素の排出量を書いたものを添付しました。ともに試食をつけたそうです。
1,トマト
地元産 : スーパーまでの距離100km ・ 二酸化炭素排出量4.5g
カナダ産 : スーパーまでの距離1,050km ・ 二酸化炭素排出量27g
2,リンゴ
地元産 : スーパーまでの距離68km ・ 二酸化炭素排出量4.5g
他州産 : スーパーまでの距離2,798km ・ 二酸化炭素排出量77g
結果
1,地元産が9割購入された
2,他州産が9割購入された
考察
1,同じ値段であれば地元産を購入する。消費者もエコラベルを見ることで環境への負荷を考える。
2,エコラベルがあっても試食した結果美味しいものを買う傾向にある。
ここで考えられたことは
おいしければ買うということ
またおいしくなければ環境に良くとも購入には抵抗があること
おいしければ2割高くとも地元産を買うということ
その結果食を選択する場合味・価格・新鮮さ・質感の4つが揃い消費者が環境のことを考え、農家を支持し農産物を購入してくれるそうです。
私としては
日本の現在の状況を考えると地産地消できる部分とできない部分があると思います。できるだけ地元のものを購入し地産地消すべきと思います。少し値段が高くともそれを補う考えを持ちたいと思います。できれば温暖化対策に使われる税金をもっと地産地消に使ってもらえればと思います。特に学校給食なんかにはもっと取り組みを進めていければいいのかなとおもいます。
今現在、日本全国で地域型の産直施設が増えているのはとてもいい考え方だと思うし日本全国どこにでもある大型量販店で日本のどこでも同じものが同じ値段で買えるという地域の違いがない全国的な均一化はさびしいことなのではないかと思います。もっと地域には昔からあり、伝えられている大切な食文化があると思います。
自分自身も日常生活でそのような場面に度々遭遇しているはずです。ただ気づいていないだけで。当然、自分の日常では食べれないものもありますがそれは別と考え、日常ではいつも意識して食生活を送りたいですし私たち農家が率先して地産地消を訴えていきたいです。